【After Effects】カラー制御
この記事ではAfter Effectsのエフェクトのカラー制御についてまとめています。
カラー制御
After Effectsのカラー制御はエフェクトに分類されていますが、カラー制御単体では何も変化はありません。
カラー制御は色の値を格納しておく場所のような感じで、カラー制御を使うことで映像全体のカラー設定を一元管理できます。
コンポジション内や映像内で同じ色を使う場合、単純に同じ色を複数のレイヤーに設定すると、色を変更するときに大変です。
このような場合にカラー制御を使って色を設定しておくことで、色を変更したいときに一括で変更できるようになります。

カラー制御の使い方
カラー制御はエフェクトのエクスプレッション制御にあります。
エクスプレッション制御に分類されているだけあって、エクスプレッション(プログラムのようなもの)を使うことで効果を発揮します。
エクスプレッションは難しく感じる人もいるかもしれませんが、カラー制御で使うエフェクトは比較的わかりやすい内容です。
- 調整レイヤーを作成
- カラー制御を適用
- エクスプレッションを設定
調整レイヤーを作成
まずは調整レイヤーを作成します。
カラー制御は色の設定を格納するだけのエフェクトなので、調整レイヤーやヌルオブジェクトなどに適用しておけば良さそうです。

カラー制御を適用
調整レイヤーに[エクスプレッション制御] – [カラー制御]を適用します。

カラーに色を設定しておきます。

また、エフェクトコントロールパネルやコンポジションパネルでカラー制御を選択して、Enter(Return)を押すと名前を変更できます。
慣れてくるとカラー制御で複数の色を管理するようになってくるので、わかりやすい名前にしておくと管理しやすいです。
今回はメインに変更しておきました。

エクスプレッションを設定
カラー制御に設定した色を参照するためには、エクスプレッションを設定する必要があります。
カラー制御で色の設定を管理できるもの
色を選択するようなプロパティは、カラー制御で色の設定を管理できそうです。
私が知る限りではカラー制御で色の設定を管理できるものには、このようなものがあります。
- エフェクトのプロパティ
- シェイプレイヤーの塗りや線
- テキストレイヤーの塗りや線
エフェクトのプロパティ
エフェクトのプロパティで色を設定するものは、カラー制御で色を管理できます。
例えば、[描画] – [塗り]のプロパティの[カラー]にエクスプレッションを設定します。

シェイプレイヤー
シェイプレイヤーの塗りや線は、カラー制御で色を管理できます。
長方形の場合はコンポジションパネルで、シェイプレイヤーの[コンテンツ] – [長方形1] – [線1]または[塗り1]のプロパティの[カラー]に対してエクスプレッションを設定します。

テキストレイヤー
テキストレイヤーの塗りや線は、カラー制御で色を管理できます。
テキストの場合は色関連のプロパティがないので、テキストの右側にあるアニメーターから[塗りのカラー] – [RGB]や[線のカラー] – [RGB]を追加する必要があります。

塗りのカラーや線のカラーを追加すると、アニメーターが追加されます。
追加されたアニメーター内にある[塗りのカラー]や[線のカラー]に対してエクスプレッションを設定します。

テキストレイヤーで塗り、線のどちらかが無く、どちらか一方の色を設定すればよい場合などは、エフェクトの[描画] – [塗り]のカラーにエクスプレッションをせていする方が楽だと思います。

エクスプレッションの設定方法
カラーを設定するプロパティに対してエクスプレッションを設定することで、カラー制御で設定したカラーにリンクすることができます。
まずはシェイプレイヤーの塗りのカラーなどのストップウォッチをALTキーを押しながらクリック。

ストップウォッチをALTキーを押してクリックすると、タイムラインにエクスプレッションを入力できるようになります。
クリックした時点で入力されていますが、これは使いません。

エクスプレッションは難しく感じるかもしれませんが、カラー制御で使うエクスプレッションなら覚えられると思います。
カラー制御の設定が同じコンポジションにある場合は、エクスプレッションにこのような記述をしていきます。
thisComp.layer("レイヤーの名前").effect("エフェクトの名前")("カラー")

カラー制御を設定したレイヤーが別のコンポジションにある場合は、少し記述が変わってコンポジションの指定が追加されます。
comp("コンポジション名").layer("レイヤーの名前").effect("エフェクトの名前")("カラー")

エクスプレッションを正しく設定できていれば、カラー制御で設定した色にリンクします。
そのため、カラー制御のカラーを変更すれば、連動して色が変更されます。

同一コンポジション内であればピックウィップで設定可能ですが、自分でエクスプレッションを入力して設定できるようにしておくとよいと思います。

カラーパレットの作成
カラー制御で色を管理する場合は、色を管理するだけのコンポジションを用意してカラーパレットとして使うと便利です。
カラーパレット用のコンポジションを作成
まずはカラーパレット用のコンポジションを用意します。
映像には使わないので、コンポジションサイズなどはなんでもOKです。
後でエクスプレッションで使うことになるので、コンポジション名はわかりやすい名前にしておくのが良いでしょう。
ここではコンポジション名をColorPaletteにしました。

調整レイヤーを作成
次はカラー制御を設定するための調整レイヤーを作成します。
調整レイヤーもエクスプレッションで使用するので、わかりやすい名前に変更しておくとよいでしょう。
ここでは調整レイヤーの名前をColorControlsにしました。

カラー制御を設定
調整レイヤーにカラー制御で色を設定していきます。
1色ということは少ないと思うので、それぞれのカラー制御にメインカラー、サブカラーなどの名前に変更しておくとよいでしょう。
ここではcolor1~color3を作成しました。

色見本を作成
最後にカラー制御で設定した色を、シェイプレイヤーなどで表示しておくと視覚的に確認しやすくなります。
塗りだけのシェイプレイヤーを一つ作成して、塗りにエクスプレッションを設定してカラー制御にリンクします。

そのあと、シェイプレイヤーをカラー制御の数だけ複製して、それぞれ別のカラー制御にリンクするようにエクスプレッションを修正します。
あとはお好みでレイアウトして、カラー制御の名前をテキストレイヤーで表示しておくとわかりやすいです。
カラーパレットの作成はここまでで完了です。

エクスプレッションを設定
カラーパレットを作成したら、エクスプレッションを設定しておきましょう。
カラー制御にリンクしておけば色を変更したくなった時に、カラーパレット側を修正すればカラー制御にリンクしているプロパティ全てが変更されます。

まとめ
今回はエフェクトのカラー制御についてまとめました。
カラー制御を使ってカラーパレットのようなものを作っておけば、色違いバージョンの映像を作るのも楽になりそうですね。
- カラー制御自体に効果はなく、色の値を格納するために使う
- 色を設定するプロパティをカラー制御にリンクさせて色の管理を行う
- カラー制御にリンクさせるためにエクスプレッションを入力する
- 映像には使わないコンポジションでカラー制御を使ってカラーパレットとして扱うと良い